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フリーランスの働き方とは?会社員との5つの違いと3つのタイプを徹底解説

フリーランスとは、特定の会社や組織に属さず個人として仕事を請け負う働き方です。
ただし、その実態は見えにくく、フリーランスとして働き始めたばかりの方やこれから独立を考えている会社員にとっては、具体的なイメージを持ちづらいこともあるでしょう。
本記事ではフリーランスの働き方を会社員と5つの側面から比較・解説し、主な3つの働き方のタイプや、自分に合ったスタイルを見つけるためのポイントも紹介します。
フリーランスとは?会社員との5つの違いを徹底比較
フリーランスと会社員では、働き方にさまざまな違いがあります。ここでは、両者の違いを5つのポイントに分けて解説します。
1. 契約形態(雇用契約 vs 業務委託契約)
会社員は企業と雇用契約を結び、労働時間や給与などが法律で保護されています。
フリーランスは業務委託契約に基づいて働き、内容や報酬は案件ごとに取り決められます。
時給制の案件も一部ありますが、多くは働いた時間ではなく成果に対して報酬が支払われます。
2. 働き方の自由度(時間・場所の裁量)
会社員は始業・終業時間や勤務地が会社の規定で決められています。
フリーランスは企業に常駐するスタイルを除けば、「いつ・どこで・どんな仕事をするか」を自分で選べます。
納期を守る責任やタスク管理は欠かせませんが、自分の裁量で働けるのが特徴です。
フリーランスならではの自由な働き方の例
例えば、以下のライフスタイルもフリーランスだからこそ実現できます。
- 週3日だけ働き、朝は子どもを見送ってからゆっくり作業をスタート
- 午前はお気に入りのカフェで作業、午後はコワーキングで打ち合わせ、夕方は自宅で集中
- 火〜木に仕事をまとめて、月曜や金曜は空いている温泉地へお出かけ
3. 収入の安定性・構造(固定給 vs 成果報酬)
会社員は固定給で、毎月一定額の給与が支払われます。ボーナスや昇給制度も整っており、収入の見通しが立てやすい点が特徴です。
フリーランスは成果報酬制で、案件の受注状況や営業の成果によって収入が変わります。ただし上限がないため、スキルや努力次第では会社員以上の収入を得られます。
フリーランスならではの収入スタイルの例
フリーランスの魅力は、働き方と収入のバランスを自分で調整できること。例えば、次のようなスタイルも実現できます。
- スキルを磨いて高単価の案件を月2〜3本だけ受ける
- 週4日で継続案件に取り組み、空いた時間で単発案件をこなす
- 年度の前半に集中して働き、後半は学びや休暇に時間を使う
4. 税金・社会保険(年末調整 vs 確定申告、厚生年金 vs 国民年金)
会社員であれば、年末調整や社会保険の手続きは会社が行い、厚生年金や健康保険の保険料も企業が一部を負担します。
フリーランスになると、確定申告や社会保険の手続きはすべて自己管理となり、保険料も全額自己負担です。
ただ、青色申告控除や小規模企業共済、iDeCo、付加年金などを活用すれば、節税と将来の備えを両立できます。
こうした制度は「知っているかどうか」で大きな差がつくため、正しい知識を持ち、自分に合った選択をすることが何よりも重要です。
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5. 社会的信用(ローン・賃貸契約など)
会社員は雇用の安定性から、住宅や自動車のローン、賃貸契約などで有利になることが多いです。
フリーランスは収入が不安定と見なされやすく、ローン審査に通りにくかったり、賃貸契約で保証人を求められたりすることもあります。ただし、実績を積み収入を証明できれば、融資を受けられる可能性もあります。
なお、フリーランスとよく比較される自営業・個人事業主との意味の違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
★石黒さんへ ここライターさんコメントあり(入稿Googleドキュメント参照)

フリーランスの働き方は主に3種類
フリーランスの働き方には、主に3つのタイプがあります。ここでは、それぞれの特徴や代表的な職種、向いている人について解説します。
1. 在宅で働くフリーランス
在宅で働くフリーランスは通勤の必要がなく、自宅やカフェなど心地よいと感じる場所で仕事ができます。
自分のペースで作業できるため周囲の影響を受けにくく、集中しやすい環境を整えられる働き方です。
ライフスタイルに合わせて仕事のリズムを調整したい方や、子育て・介護と両立しながら働きたい方に向いています。
代表的な職種例
- Webデザイナー
- ライター
- Webプログラマー(フロントエンド/バックエンド)
- イラストレーター
- 動画編集者
- 翻訳者
- SNS運用代行・広告運用担当者
2. 企業に常駐するフリーランス
契約先の企業に一定期間出社し、プロジェクトメンバーとして働くスタイルです。勤務時間や勤務地が決まっており、会社員に近い働き方といえるでしょう。
月額固定報酬や長期契約が多く、収入が安定しやすいのがメリットです。現場でのチーム作業や対面のやり取りを通じて、実務力やビジネススキルを磨ける環境でもあります。
安定した収入を得たい方や、これまでのチーム開発や業務経験を活かしたい方にも向いています。
代表的な職種例
- システムエンジニア
- 業務系プログラマー(社内システム開発など)
- インフラエンジニア(ネットワーク・サーバー管理)
- ITコンサルタント
- ヘルプデスク・社内SE
3. プロジェクト単位・スポットで働くフリーランス
短期契約や期間限定の案件を中心に、複数の仕事を同時に進めていく働き方です。
収入源が分散できるため、景気が変動しても影響を受けにくいのが強みといえます。空き時間を別案件や自己研鑽に充てるなど、時間の使い方にも幅を持たせられます。
マルチタスクが得意な人や、複数の分野でスキルアップしたい人に向いています。
代表的な職種例
- 経営・IT・業務改善コンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- グラフィックデザイナー
- カメラマン・イベントスタッフ
- 出張型サービス提供者(美容師・セラピストなど)
- 軽貨物配送・フードデリバリー業務
フリーランスのメリット・デメリット
フリーランスという働き方には、共通するメリットとデメリットがあります。以下に、代表的な項目をまとめました。
メリット
- 時間や場所の自由が利きやすい
- 取り組む仕事や取引先を自分で選べる
- 頑張り次第で収入アップにつなげやすい
デメリット
- 収入が不安定になりやすい
- 社会的信用を得にくくなる場合がある
- 税金や保険などの手続きをすべて自分で行う必要がある
詳細やその他の項目については以下の記事で解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
★石黒さんへ ここライターさんコメントあり(入稿Googleドキュメント参照)
自分に合ったフリーランスの働き方を見つけるポイント
フリーランスという自由な働き方に魅力を感じる一方で、「自分に向いているスタイルがわからない」と感じる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、自分に合った働き方を見つけるための視点や考え方を紹介します。
譲れない条件を整理する
納得のいく働き方を選ぶには、まず自分にとって何が大事かを整理しましょう。
例えば家族との時間を優先したい、収入を安定させたい、新しいスキルを身につけたいなど譲れない条件は人それぞれです。
すべてを満たすのは難しいからこそ、これだけは譲れない条件に優先順位をつけてみてください。自分の軸が見えてくると、進むべき方向が定まります。
今のライフスタイルや家庭環境を確認する
現在の生活環境やライフステージに合った働き方を選ぶことは、無理なく続けるためのポイントです。
例えば家族の転勤や引っ越しが多い場合は、完全リモートワークやスポット案件を中心とした働き方が向いているかもしれません。
フリーランスの働き方は、環境や人生の段階によって最適な形が変わります。今の自分に合うスタイルから、少しずつ始めてみましょう。
得意分野と世の中のニーズを見比べてみる
自分のスキルや得意分野が、どんな場面で求められているかを調べましょう。
例えば、自分の専門領域では在宅型の案件が多いのか、企業に常駐する働き方が主流なのかを知ることは、働き方を選ぶうえでのヒントになります。
実績が少ない場合は、現場で経験を積みスキルや信頼を高めたうえで在宅やスポット型の案件に移るのも一つの方法です。
得意分野と市場のニーズを照らし合わせれば、自分に合った現実的な選択肢が見えてきます。
気になる働き方を試してみる
頭で考えるだけでなく、実際に少しずつ試してみることも大切です。
いくつかの働き方を体験してみることで、「自分にはこのスタイルが合っている」といった感覚がつかめるようになるはずです。
例えば週末や平日夜に在宅の副業案件にチャレンジしたり、1カ月だけ常駐型の短期案件に参加したりと、無理なく試せる方法はたくさんあります。
フリーランスの働き方に、前向きな選択をプラスする
フリーランスには会社員にはない自由や可能性が広がっています。
その一方で、収入の波や将来への不安、税金や保険の手続きなど一人で抱えるには大きな負担となることもあります。
だからこそ、安心して働き続けるためには、しっかりとした守りの体制も欠かせません。
当社では、税務・会計・社会保険に関するサポートを通じて、フリーランスの働き方をトータルで支援しています。
「自分に合った働き方を、もっと前向きに進めていきたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。